モアレた日記

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なんだこの自己満ブログ

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夏なので読書感想文を書こう

 

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  読書感想文とは、本を枕にして、自分の奇異な体験を書き綴る面倒な悪習のことだ。(奇異な体験が無い人は、自分がどれほど平凡で、課題本の主人公がどれだけ努力家であるかをハッキリと対比させて書こう。)とかく、自分に強いエピソードがあるにしろないにしろ、自分の話を書いて、美しい体裁にまとめた方が勝ちなのだ。

  だったらそもそも、美しさとはなんなのか。それに触れたのがこの原田マハ「楽園のカンヴァス」である。主人公のティムはアンリ・ルソーの稚拙な技術の中に、生きる自然を見出した。そしてそれを心から「美しい」と思う一方で、世間ではルソーは「日曜画家だ」と非難されている。

  この本を読み終えて分かったことは、美しさとは常に流動的で、主観的なものである、ということだ。つまり、万人にとって美しいものはないということだ。したがって、冒頭に述べた「自分の話を書いて、美しい体裁にまとめた方が勝ち」という体裁は成立しなくなる。

  私は読書感想文を書く上で、常に「勝ち」か「負け」かを考えていた。例えば、「自分と主人公を対比して、改善点を述べなければならない。それは感想文において美しいからだ。」など。しかし、美しさとは主観的であり、普遍的なものは存在しないと知った今、それは無意味なことであったと気付いた。そして、自分がどれほど愚かであったかと痛感した。

  文章を書くことは難しい。だが、「どんな文章が美しいか」と考えるよりも、主人公ティムの観察眼が真実を見抜いたように、「自分はこの経験から何を書きたいのか」「何が言いたいのか」を熟考することで、より良い文章が書けるようになると思う。以上、この本から学んだことを糧とし、今後の執筆活動に活かしていきたい。

 

 

 

読書感想文をメタりつつ、読書感想文を書くというテーマで書いてみました

読書感想文って、辛かった出来事や大変な出来事を書いた方が入賞しがちですよね。私もそうでした。でも本質はそこには無い。多分伸びしろを見てるのかなって思います。考えが変わったとか、本にはこういうテーマがあって、だからこうあらねば、みたいな

でも自分の考えを変える程の出来事ってやっぱり大きな出来事ってことになっちゃうじゃないですか。そこが難しい!この辺はもっと研究してみたい