モアレた日記

モアレた日記

なんだこの自己満ブログ

モアレた日記

え?!これが無料?!ってなる日本文学特集

f:id:zonz:20220414221234j:plain



『ある自殺者の手記』小酒井不木

これほど馬鹿げた話はない。そんな風にいうならば、世の中のすべての出来事は模倣でなくて何であろう。

ある男が失恋により自殺する。「加藤君」へ宛てた手紙で語られる事情。しかしとんでもない状況へと発展していく。驚愕のラスト。果たして真相は?小酒井不木のミステリー。

10分程度で読み切れる超超短編にも関わらず、驚きの結末があります。しかも、「知って」から読むとまた違った意味を見出せる文も…

こちらから読めます↓
https://www.aozora.gr.jp/cards/000262/files/48086_38520.html



『孤島の鬼』江戸川乱歩

僕の願いを容れて、僕の愛を受けて

自宅の密室で恋人を刺殺された蓑浦金之助は、彼女が残した謎の系図を手に、死の真相に迫る。何かに導かれるように向かった孤島で金之助を待ち受けていたのは、想像を絶する恐怖だった―。

長編小説。同性愛的で艶やかな描写や「ザ・江戸川乱歩」なミステリー、さらには暗号解読まで!たくさんの要素を盛り込んだ江戸川乱歩の最高傑作です。「孤島の鬼」とは誰のことなのか?ぜひ推理しながら読んでみてください。
正直怪人二十面相等めっちゃ有名なやつよりクッソ好き、何回も読んでる

こちらから読めます↓
https://www.aozora.gr.jp/cards/001779/files/57849_71930.html



『瓶詰め地獄』夢野久作

神様からも人間からも救われ得ぬ

遭難兄妹が海に流した三つの瓶。そこに収められた地獄の真相とは?
海難事故により遭難し、南国の小島に流れ着いた可愛らしい二人の兄妹。彼らがどれほど恐ろしい地獄で生きねばならなかったのか。


短編です。夢野久作の文章は艶々としていて、いつも血の匂いがするような気がします。その中でもこの作品は、異質。宗教的な美しさと不気味さの同居。
三つの瓶手紙の時系列を整理しながら読んでみるのも楽しい。

こちらから読めます↓
https://www.aozora.gr.jp/cards/000096/files/2381_13352.html


『死後の恋』夢野久作


ロシア革命直後のウラジオストクで、通行人をつかまえては自身の身の上を話す奇妙な男が、日本人の軍人に「死後の恋」の話を聞かせる物語。久作が得意とする、独白体形式。


短編。戦争モノだけあってちょっとグロめだけど、そこにエロティックがある。自分はそんなにエログロ好きじゃないし、グロはグロじゃん!ってタイプなんだけど、夢Qの魔法にかかればもう惹かれっぱなし。最後に明かされる真実もまた魅力的。

こちらから読めます↓
https://www.aozora.gr.jp/cards/000096/files/2380_13349.html


『煙突』山川方夫

孤独とは、だれも手を下して自分を殺してはくれないということの認識ではないのか。(中略)いわばぼく自身の生命を、最後までぼく一人の手で始末せねばならないという、冷厳で絶対的な人間のさだめへの恐怖だった。

戦災後、病弱であったために山川と山口は学校に残され、無為の時間を過ごしていた。暇潰しのスポーツ後、山川は山口と弁当を分け合いながら、友情を深めていく―。

戦争時代直後を描いた短編。友人二人が弁当を分け合いながら、距離を縮めてゆく…。二人の関係性と、死への価値観描写が魅力的です。煙突に登るシーンからは気持ちよい程の青春を感じます。

こちらから読めます↓
https://www.aozora.gr.jp/cards/001801/files/59530_75295.html


番外編

『夜はコアントロー』作者不明


悪いことなんて一つもしてないように見えたらいいですね

とある弁護士事務所に勤める主人公は、上司から彼の恋人を「寝取る」ように言われる。金だけで繋がれた身体の関係の先にあったものは、悲劇的な結末と諦観だった―。


アングラ界隈で有名な小説。マジで最低な界隈だが、この小説だけはずっと心に残ってる。今まで読んだBL小説の中で最も優れているだろうと言えるレベル。

こちらから読めます↓
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888241453/episodes/1177354054888241479






かたっっっっっっっっっ苦しく思わなくていいから、ポチッと読んでみてくれ!!!!!!!