そう一言言うと、凛堂は耀一にキスをした。触れるだけの。
「感染るから…」
いつもなら死ぬ程恥ずかしいのに、嫌味も何も言えなかった。弱ってるからか?
「弱ってる君は素直で良いなぁ」
「黙っとけ」
目を覚ますと、身体が大分楽になっていた。
「ん…あれ、凛堂?」
寝ている間、ずっと頭に凛堂の手の感覚があった気がする。
「あ、目ェ覚めた?身体どう?」
ここからAI
キッチン裏から凛堂が顔を出す。そこにいたのかよ
「買い物行く」
「えぇ〜だってさっきまで熱あったじゃん〜」
「……治ったんだからいいだろ。てかなんでお前ここにいるんだよ」
「看病してたからだね!」
「もう大丈夫だから帰れよ」
「えー、せっかくだし泊まろうかな!パジャマあるし」
「なんであるんだよ!!」
結局その後無理矢理帰らせようとしたが、無理だった。
「お邪魔しまーす♪」
「おう」
家に上がるなり俺の部屋に入っていった。そしてベッドに座ってくる。
「何やってんだよ」
「今日はここで寝ようと思って」
「出ていけ」
「やだっ☆」
こいつのメンタルの強さには感心する。絶対折れないもんなこいつ。
「じゃあお休みなさーい」
「待て待て待て!!隣で寝るのはおかしいだろ!?」
「キスして」「しないわボケ!!!」
「ちぇー」
ふぅ……。やっと諦めてくれたみたいだ。
「ほら早く出てけよ」
「分かったよー」
そう言って出ていったと思ったのだが、何故かドアを閉めて戻ってきた。
「おい、なにしてんだよ」
「僕が女の子だったら良かったのにねぇ」
「……」
俺はその言葉の意味を理解していた。だが理解したくなかったのだ。
「お前はそのままでいいんだよ」
「そっか」
「ああ」
そのまま部屋を出ていくかと思いきや、また入ってきた。今度は枕を持って
「じゃあ僕は耀一くんの隣で寝る!」
「アホなことぬかすんじゃねえ!!」
結局その後も色々あって疲れてしまい、ぐったりしながら眠りについた。
次の日、体調は完全に元通りになりましたとさ。めでたしめでたし。
『あとがき』
いかがでしたでしょうか?今回は番外編ということで、耀一君のお話です。体調不良ネタは定番ですね。書いていて楽しいのですが、読者の方にも楽しんで頂けたなら幸いです
あとがきまで書いてるんじゃねえよ