「神が描いたプランもシナリオも好みじゃなきゃぶち壊す!」
この歌詞にストーンオーシャンの全てが含まれてると思う。徐倫は父親の愛情の欠如から、悲運のどん底に突き落とされる。先生曰く、「僕じゃ三時間で壊れてたかも」とか、そんなレベルの状況の中、「泥水啜ってでも這い上がってやる」と徐倫は決意を固める。
特に、徐倫の決意のシーンは「これって本当に黄金の精神…???」と思ってしまうくらい狂気的。カワイイ女の子がプリキュアみたいに「ぶち壊す!」とかやってるんじゃないところが本当に最高。
あと、徐倫のスタンド能力が過去部と比べて、チート性能ってほどでもないのが良い。初めは小細工程度に使える能力性能だったのに、徐倫の成長とともにスパイダーマンみたいなことをやってのけるようになる。徐倫の精神的な成長がよく描かれている。そこに痺れるゥ!憧れるゥ!!
お気に入り回
・エルメェスの復讐回
「復讐とは自分の運命への決着をつけるためにあるッ!」
ラストの徐倫の膝に倒れ込むシーンが泣ける。結構序盤の方ではあるけど、ここでも「運命」のワードが。このセリフ、意図してか知らずかわからないが、「復讐は運命への決着である」ことを示している。つまり…最終回、エンポリオもといウェザーリポートがプッチ神父への復讐を遂げたのも、ウェザーリポート、自らの運命の決着と言える。
では「運命の決着」のその先はなんだろうと考える。それは「不確定」である。復讐者にとって、大切なのは復讐を遂げたその先ではなく、復讐を遂げたという結果、決着にある。復讐は「何も産まない」のか、「復讐は復讐を生むのか」または全く違うものに辿り着くのか。その「未確定」こそ、ウェザーリポートがプッチ神父への復讐の決着がもたらした「不完全な一巡後の世界」なのだ。
「不完全な一巡後の世界」
→プッチ神父は完全に世界が一巡する前に、エンポリオを殺すため時の加速を止めた。プッチ神父の死により、不完全な一巡後の世界が生まれた。
・ウェザーリポートの死
「もう一度話がしたい。あなたと、そよ風の中で話がしたい」
ここまで読んできた中で本当に、1、2位を争うくらい好きなセリフ。ウェザーは過去や彼自身の話について、語ることなく亡くなった。
「そよ風の中で」___これはもう、静かな草原で、仲間として他愛ない会話をする徐倫とその仲間たちが目の前に浮かぶ様でマジに涙が出る。
このシーンでブチャラティ退場のシーンを思い出した。ジョルノのセリフはブチャラティから「黄金の意志を受け継いだ」ことを強調したものだが、対して徐倫のセリフには、ただ死者に寄り添う優しさと愛がある。男泣きするエルメェスにも泣けた。
・ボヘミアンラプソディ
「オレはディズニー・キャラが見てぇのによォ〜〜〜〜〜」
アナスイ可愛すぎ
面白さで言えばここの回がマックスで面白いと思う。ジョジョって異様に面白い回が終盤に一個絶対あるよね
ラストの展開を見た時は、正直脱力というか「エッ!?全部なかったことになっちゃったって…コト!?」と思ってすごく悲しくなっちゃった。
けど、過去部主人公達の魂は、「世界が終わったとしても」受け継がれていくって事だ。とすれば、6部ラストは「全部なかったこと」にはならない。むしろ全部取り返して戻って来たとも言えるかもしれない。
一巡前の世界では、身体のつながりが先か、魂のつながりが先か、とか考えると難しい。何せ一巡前は世界の始まりを知らないからである。
しかし、一巡後の世界は、先に魂があって、その後に世界が生まれた。魂の繋がりがあってからの世界なのである。
そして、一巡後の世界でも承太郎・徐倫・アナスイ・エルメェス・ウェザーは、記憶がないにも関わらず再会を果たす。これはつまり、血やその他の外因が彼らを引き寄せるのではなく、魂が引き寄せ合うということである。
(多分ジョースター家の者がそれぞれ他の家の者を探知出来るのは「魂と魂が繋がってるから」とも言えるのではないだろうか。)
よって、「全部なかったことになった」ように見えるこのラストは、実は、「これは魂と魂の因縁の物語だ」という序盤からも語られる強いテーマを改めて示したラストとも取れる。
つまり
6部最高
おわり